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製造 3D CADデータを活用したオンラインコミュニケーションを実現へ
3Dモデル上でやり取りができるコメント機能をリリース。複数拠点や関連部門が参加する設計や工程の討議をオンラインで行えるようにし、コンカレントエンジニアリングを実現します。
■Sceneとは
三次元CADデータを極めて簡単に扱えるようにすることで、組立手順書の作成、資料レビュー、品質記録をデジタル化する3Dドキュメントツールです。
ブラウザでアクセスでき、ハイスペックPCも不要のため、部門横断で利用ができます。
■ 3Dコメント機能が解決する課題
実体のあるモノを扱う製造業では、IT業界のようなオンライン上のコラボレーションが困難なことが多いです。
製品の構造や組立工程へのフィードバックは立体物が無いと説明することが難しいため、関係者を集めての打ち合わせが多くなります。
しかし全員のタイミングを合わせたり、特に海外拠点メンバーなどが一堂に会することは難しいものです。
討議の履歴も管理が難しく、言った・言わないの問題も発生しがちです。
■3Dコメント機能の活用イメージ
Sceneを使うと、以下のようなやり取りが可能になります。
生産技術の担当Aさんは、3DモデルをSceneにアップロードして、組立工程を説明する3D資料を驚くほど早く作成しました。
そしてAさんは出来た3D資料のURLを製造部やレビュー担当者にメールで共有しました。
早速、製造部のBさんがURLをクリックし3D資料を開きました。閲覧のためのアプリやハイスペックPCが不要なので外出先からも閲覧できます。
Bさんはアニメーション付きの3D資料でプロセスを素早く理解できました。
Bさんは、組立に問題があるポイントをいくつか見つけたので3D上にコメントを入れていきます。
生産技術の担当Aさんはコメントの通知をメールの自動送信で受け取ったので、すぐに3D上に返信コメントを入れました。念のためベテランのCさんもコメント先に入れておきます。
海外出張中だったベテランCさんは、二人のコメントの履歴を見てアドバイスのコメントを入れておいてくれました。
このように、関係者が3D上のコメントをやり取りすることで討議が可能になります。
■ 3Dモデル上でのディスカッションがもたらす効果
近年の製造業では「フロントローディング」の実現が求められています。
生産技術や製造など各部門からの指摘を吸い上げ、変更がしやすい前工程(設計段階)の検討に反映することが重要です。
設計段階で製品コストや品質の大部分が確定すると言われており、前工程で問題を潰しておくことがフロントローディングのポイントです。
そのためには部門横断でのコミュニケーションや情報を前工程に集約するツールが活躍するのです。
更に、国内で設計して海外拠点で製造するという複数拠点での生産には、コミュニケーション力の強化が不可欠です。
離れた場所でも、時差があっても効率的な情報伝達とすり合わせを可能にするのが今回の3Dコメント機能です。
そして各拠点、各部門のノウハウを一か所に集約して管理できるようにすることが、製造の競争力に繋がっていきます。