導入事例

組立図作成時間を75%削減、手戻りリスク半減

3DドキュメントSceneを新日本造機が導入<br />
(組立図作成時間を75%削減、手戻りリスク半減)

3DドキュメントSceneを新日本造機が導入
(組立図作成時間を75%削減、手戻りリスク半減)

新日本造機株式会社

業種:
重工業
製品:
タービン・ポンプ

半日~1-2日かかる組立手順書作成が 1 時間程度に
現場からのフィードバックの吸い上げによる手戻りリスク半減で数か月分の作業節約

新日本造機株式会社は、前身の廣造機株式会社 (1951年創立)と日本水力工業株式会社(1943年創立)の合併により1973年に発足して以来、タービンとポンプの事業を柱とした専業メーカーです。
高性能の蒸気タービンは、世界各国の電力インフラ拡充に貢献し、高品質のプロセスポンプは世界の石油メジャーからも信頼を得ています。

同社の試作・評価を行う技術部開発課は、開発製品の形状・構造の正確な伝達、ひいてはフロントローディングの加速を目指してSceneを導入しました。
これにより、資料作成の効率化に成功し、資料修正コストの削減などの効果が見えています。
Sceneの導入を推進した枦様と櫻本様に、導入前の課題や導入効果などについてお伺いしました。

新日本造機 呉製作所
新日本造機の提供する蒸気タービンとポンプ

業務内容について

扱うのは少量多品種の蒸気タービン・ポンプ
開発目標値を達成する試作・評価業務は情報伝達が要

技術部開発課の業務について教えて下さい。

新日本造機の技術部開発課は、主軸である蒸気タービン・ポンプの双方において、目標スペックの実現に向けた形状検討・シミュレーション・図面作成等を行っています。
環境保全と省エネルギーの重要性は日々高まり、求められる開発目標値はシビアなってきます。試作・評価結果を関連部門へ正確かつスピーディに共有することが重要な役割の一つです。

導入前の課題

SolidWorksの機能では時間がかかるため組立手順書の作成が後手後手に
伝達不足が後からの不具合発覚につながり、ゼロからの再設計に一か月かかるケースも

Scene導入前の課題をご教示頂けますか?

新しい開発内容は関連部門への説明が必要になります。形状・構造はSolidWorks画面のスクリーンショットをパワーポイントに貼り付けて説明していました。
組立手順を2次元画面だけで伝えることは困難であるため、SolidWorksの機能を用いて組立アニメーションを作成していました。しかし、操作性が直感的でないうえに動作が非常に重く、作成に時間がかかります。

SolidWorksでの説明作成にはどれくらい時間がかかっていましたか?

慣れない人だと、そもそも組立アニメーションの作成は難しいです。
直感的でなく、部品を意図した位置に移動するのもひと手間必要です。
よって、一部のユニットの組立図だけでもSolidWorksでは作成に半日かかります。ポンプ全体など構成部品が増えると1-2日はかかってしまう作業量です。
結果的に、組立手順の説明作成が後手に回り、コミュニケーション不足から後工程で組立性の問題が発覚し、再設計などの手戻りの原因になります。
また、現場に赴いて組立作業者に対して口頭で説明すると半日間かかってしまううえ、その場にいない作業者には同じ内容の再説明が必要になります。

手戻りが発生するとどのような影響が有りますか?

今までは現場からのフィードバックを開発の初期段階で適用する事が難しいと感じていました。パワーポイントによる説明段階でOKされていたものが、製造段階になって「この構造では組立できない」と指摘されることがあります。
この場合、形状検討から計算まで全てやり直しで、追加で1か月の作業が必要になります。
こうした状況からの脱却のため解決策を模索していました。

導入効果

半日~1-2日かかる組立手順書作成が 1 時間程度で可能に
現場のフィードバックを事前に吸い上げることで手戻りリスクは半減

Sceneを選定頂いた理由は何でしょうか?

直感的に操作できて使いやすい点が大きいです。
部品を移動させる場合も、イメージ通りにスムーズに動かせます。
Sceneでユニークなのはスライドショーを作成するようにページを構成していくことです。アニメーション作成と違い、例えば3工程前の状態に戻りたい場合は3ページ戻るだけで分かりやすいです。

導入効果はいかがですか?

SolidWorksで半日かかる組立手順の作成が、Sceneであれば1時間もあれば出来上がります。
現場からも分かりやすいと評判で、フィードバックの吸い上げもこれから容易になっていくと予想しています。
再設計が必要となるような大きな手戻りのリスクは年間何件か発生しますが、そのうち半数程度はSceneにより回避ができ、これだけで数か月程度の作業節約に繋がります。

SolidWorksで作成した資料:スクリーンショットとなり視点が固定される

Sceneを使った資料(実際は360度回転や移動が可能):複数のスライド作成が容易で、閲覧者が視点を動かして見たい方向から確認が可能

今後の展開について

3D活用を推進しフロントローディングを加速したい
顧客への説明もSceneの3Dドキュメントで

Sceneの活用について、考えている今後の展開は何ですか?

会社の方針として、3Dデータの活用を更に促進しフロントローディングを加速していきたいと考えています。
また、顧客への製品説明の際も、二次元的なパンフレットでは組立性が改善されているなどの魅力が伝わり切らないと考えています。Sceneを活用することで、顧客が見たい方向から確認できたり、顧客自身で視点を動かすなどの新たな体験を通し、当社製品の魅力をより深く理解して頂けることに期待しています。

枦様、櫻本様、本日はありがとうございました。

3D 活用でモノづくりの情報伝達をデジタル化

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