導入事例

  • Issues

指摘・対応・変更を、ひとつの流れに 現場の声が通した、ミクニ生産技術部の新たな設計レビュー改革

【生産技術DX/デザインレビュー】Scene Issues を自動車・二輪部品大手の株式会社ミクニが導入

【生産技術DX/デザインレビュー】Scene Issues を自動車・二輪部品大手の株式会社ミクニが導入

株式会社ミクニ

業種:
四輪車・二輪車・船外機等向け精密部品の開発・製造・販売
製品:
スロットルボディ、燃料供給システム、各種制御部品 ほか
ミクニの四輪車向け製品の一例(同社Webサイトより)
ミクニの四輪車向け製品の一例(同社Webサイトより)

業務内容について

「生産が目標どおりに立ち上がる条件を整える」——年間を通じて数多く回る設計のレビュー

Q. はじめに、生産技術部門の業務について教えてください。

私たちは、新規製品の立ち上げに合わせて、生産に使用する設備や治工具の設計・製作から現場への導入指導までを一貫して担っています。 ミッションは「生産が目標どおりに立ち上がる条件を整えること」。 工程設計した目標を確実に達成することはもちろん、安定稼働できる工程を構築し、不良によるロスを未然に防ぐことまでを常に念頭に置いて業務を遂行しています。 その根底にあるのが「開発期間の短縮」という一貫したテーマです。 新機種の着手から工場立ち上げまでに求められる期間は年々短くなっており、対応が遅れれば事業機会の損失にもつながりかねません。 限られた時間の中で、いかに品質を担保しながら設計・レビューを回しきるか——それが私たちの最大の関心事です。 1つの製品には多くの工程があり、その都度治具を設計してレビューにかけるため、レビュー頻度は年間を通じて非常に高い水準に達します。

日々Scene Issues上でデザインレビューを行う生産技術部のメンバー
日々Scene Issues上でデザインレビューを行う生産技術部のメンバー

導入前の課題

対面前提で日程が合わず、判断の経緯も残らない。「工程が多ければ一度では終わらない」

Q. Scene導入前は、デザインレビューをどのように回されていたのでしょうか。

従来のDRは、基本的に「集まって、図面と3Dを見ながら議論する」対面型で運用していました。やり方自体は決して悪いものではありませんが、対面が前提であるがゆえに関係者の予定が揃わず、レビュー会そのものが先送りになってしまうケースも少なくありませんでした。 CADを日常的に扱わない製造部隊には、言葉だけでは設計意図が十分に伝わらず、実物を見て初めて「思っていたものと違う」と気づく——。工程数が多ければ一度のレビューでは終わらず、とりわけ設備は確認すべき細部が多いため、やり直しや認識のずれが繰り返し発生していました。 さらに根深かったのが、「なぜそう設計したのか」という判断の経緯が、図面にもDR記録にも残らないという課題です。 私たちの設計は、まったくの新規よりも既存のベースを踏襲しながら発展させていくものが多くを占めます。だからこそ過去の判断理由を追えないことは大きな痛手であり、時代やトレンドの変化に応じた見直しを難しくしていました。 加えて、サプライヤーへ設計・製作を依頼する際には、複数回のDRに面直対応・資料送付・電話でのやり取りが重なり、関係者双方の業務が滞る一因にもなっていました。

こうした経験を踏まえて、新しい仕組みに期待する価値を「工数削減」「手戻り削減」「過去知見の蓄積」「サプライヤーとのコミュニケーション改善」の4点に整理し、ツールの検討に入りました。

導入前の課題から整理した、Sceneに期待する4つの価値
導入前の課題から整理した、Sceneに期待する4つの価値

選定の理由

決め手は機能比較ではなく、“実際に使う人”の手応えだった

Q. Sceneを知ったきっかけと、最初の印象を教えてください。

きっかけは、ある展示会でした。

担当者は生産準備を8年ほど経験しており、設計・立ち上げ・レビューの苦労を身をもって知っていたため、Sceneが掲げる「デザインレビュー」という切り口に、その場ですぐ手応えを感じたといいます。

最初に触れた瞬間、はっきりと感じました。「展示会で見てきた数あるシステムの中で、これが一番、自分たちのやりたいことに近い」と。一般的な3Dデータ管理の仕組みは、モデルそのものを厳密に管理することを主目的としており、モデルに対する"日々の会話や気づき"を気軽に残していく用途には、必ずしも向いていません。Sceneは、まさにその領域を担う道具でした。従来型のシステムが「最終形を正しく保管するための基盤」であるのに対し、Sceneは「関係者同士の対話を支える業務基盤」——。この役割分担は明快で、社内に導入意義を説明するうえでも大きな後押しとなりました。

Q. Sceneを選ばれた決め手は。

導入検討にあたっては、(1) DRに必要な機能だけを軽快に扱える実用性、(2) 社内で異なる複数のCADを扱えるマルチCAD対応、(3) 協力会社(サプライヤー)とのやり取りが容易になること——この3点でSceneが優位だと判断しました。 ただし、最終的に稟議を通した決め手は、機能の優劣そのものではありません。 2025年7月、複数機種を対象に社内でパイロット運用を実施したところ、実際に使ったメンバーから「やっぱり、あった方が業務が回る」「これがないと元に戻れない」という、極めて手応えのある声を引き出せたのです。 ツール導入は管理者の判断で進みがちで、いざ現場に展開しても"宝の持ち腐れ"になってしまう例も少なくありません。しかし今回は、現場から自然に上がってきた"あった方がいい"という生の声もあり、2025年11月の本格導入へとつながっています。


導入効果

2次元化の前に形状修正が完結。手戻り指摘は大幅に削減し、レスポンスも大きく短縮

Scene導入によって得られた4つの変化
Scene導入によって得られた4つの変化

Q. 導入後、どのような効果が表れていますか。

導入効果として最も大きいのは、手戻りの削減です。 3Dモデルの段階で関係者の意見を集約できるようになり、2次元図面化する前に形状の修正がほぼ完結するようになりました。その結果、以前は多くの図面で発生していた形状に関する指摘が、いまではごくわずかにまで激減しています。
図面チェックの進め方も大きく変わりました。 以前はまとまった指摘を後日一括で確認する運用でしたが、いまは隙間時間に届いた指摘から都度確認できるようになっています。1件あたりを確認する時間そのものは変わらなくても、着手のタイミングが格段に早くなり、レビュー会を先に設定して待っていた頃と比べ、大幅に早くレスポンスを返せる体制が整いました。
修正の負荷という観点でも変化がありました。組図まで手を入れる場合には相応の時間を要していたところ、3Dモデル段階での修正で済むケースが増え、1件あたりの対応がスムーズに進められるようになっています。加えて、これまで意見をもらう機会の少なかったメンバーからも指摘が得られるようになり、上長が多忙な状況でも、空いた時間に対面によらずフィードバックできる点は、現場からも歓迎されています。
こうした変化は、規模感を重ねるほど効果が際立ちます。 年間で手がける治具・設備、そして部品図まで含めれば、対象となる図面は相当な枚数にのぼります。その1枚ごとのわずかな手戻りも積み上げれば、担当者一人あたりの業務負荷として無視できない差となって表れてくるのです。

今後の展開について

サプライヤーとの協働、過去ナレッジの検索、そしてAIへ

Q. 今後、Sceneにどのようなことを期待されていますか。

短期では、協力会社にも運用の輪に加わっていただき、やり取りの流れをより滑らかにしていきたい。中期では、これまで蓄積してきた気づきや判断を、必要な場面で自然に呼び出せる形へ。そしてその先には、日々のデータが次の設計を支える資産となる姿を思い描いています。

▶ お問い合わせ/資料ダウンロード:ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。各種機能について詳しくご説明いたします。

3D 活用でモノづくりの情報伝達をデジタル化

ご不明な点はお気軽にお問い合わせください。専門スタッフが各種機能について、詳しくご説明いたします。