導入事例
- 3D Docs
『3D Docs』導入で、組付工数を26%効率化、ベテランの指示なしでも品質安定を実現
3Dドキュメント 作成ツール『3D Docs』を新明工業株式会社が導入。
設計の意図、カンコツ、注意点を3Dで伝達し、 組立支援をDX

新明工業株式会社は自動車の製造・生産から、自動車が市場に投入された後のサポートまで、自動車文化の発展に幅広く貢献してきた企業です。長年にわたり、自動車工場における搬送設備や組立・検査設備といった、自動車生産の根幹を支える「設備事業」を展開してきました。HV、FCV、EVといった次世代車両に対応する高精度部品の生産設備を手掛けるなど、独自の技術力で存在価値を確立しています。また、「自動車事業」では、整備工場を各地に展開し、カーライフをサポート。道路維持作業車両や消防車両といった「働くクルマ」の設計・製作、トヨタ博物館に展示される旧車のレストア、最先端車両の試作・開発にも携わるなど、自動車の一生に寄り添う事業を展開されています。
今回、3Dドキュメント 作成ツール『3D Docs』 の活用を主導されている自動車事業本部 特装部 モノづくり推進室の曽我様、近藤様、勝野様から、導入背景から効果までを具体的にお伺いしました。
モノづくり推進室のミッション「ミス・ロスの撲滅と製造DXの推進」
モノづくり推進室のミッションや業務内容を教えて下さい。
ミス・ロスの撲滅と製造DXの推進を行っています。製造工程で培ったノウハウを知見として体系的に蓄積しながら現場にも共有を行い、製造工程において、いかに効率よく生産できる状態を整備できるかを重視しています。
その一環として、デジタルツールを活用した現場業務の効率化にも焦点を当てています。例として、特に工数が大きくなる立ち上げ時の工数を削減することを目的として、ツールを活用した教育を行っています。それにより作業者が迷わず作業ができる状態も作れています。3D Docsの他にも、動画作成ツールで作成した作業の要領書の活用なども行ってきました。
また、一品物や開発物件において、DR開催の推進を行いながら、製造工程のナレッジの共有もしています。初期設計や試作段階から量産化に向けたフィードバックを行うことも我々の重要なミッションの1つです。
検討の経緯「設計意図から注意点、カンコツ、過去のミスロス再発防止情報をすべて盛り込めるツールを探していた」
『3D Docs』の検討に至った大きな背景はなんでしょうか?
新明工業ではニッチな特装車を多品種、小ロットかつ短納期で生産しています。
作りやすく、壊れにくく、直しやすく設計されたものを設計の意図通りに製造するために、単なる手順だけでなく、注意点やカンコツ、過去のミスロス再発防止の情報を確実に伝えるツールを探していました。
編集工数もとにかく短くしたいと考えており、作成リソースの増大も抑えながら、質の高い資料を投入したいという希望がありました。短期間で資料作成して製造工程に投入しないといけません。一方で、資料を作っても製造現場で使われなくては意味がありません。短納期の生産計画に対して、組立支援ツールによる資料作成計画をいかに連携させるかも課題でした。
また、3Dデータを活用して組立支援を行いたいとも考えていたので、新明工業が利用しているCATIAデータに対応している良いツールがないかを探していました。
Scene以外の手法も検討していましたが、リンクや画像、動画の貼り付けができないなどの機能性の問題や、1ライセンスあたりの価格が効果に合わないほど高額な点などから導入を見送っておりました。
そのような中で、展示会でSceneの 『3D Docs』を見つけ、「自分たちの実現したいことがこれならできる」と感じたため、導入を検討し始めました。

導入前の課題「ベテランやリーダーなどの指示者不在でも作業ができるように、必要な情報をすべてまとめる必要があった」
Scene導入前の課題をご教示いただけますか?
新明工業では、大型車から小型車まで幅広く特装車事業を行っています。道路維持作業車両や緊急車両などのいわゆる「働く車」を製作しており、各自治体や企業からの細かなニーズに対応しています。
しかしながら、時期によって製作や組立を行う内容が異なり、担当者が固定できないケースがあります。ある担当者が春は道路維持作業車両を、秋から冬にかけて消防車両を組付するなど、時期に応じて異なる車両を担当するようなイメージです。
そのため、作業をする際に指示役となるリーダーが不在の場合、作業者に手待ちが発生することも有りました。また、指示不足が原因による工程内不良や、出荷後の品質不良発覚を防止するため、組立内容を正しく伝える必要がありました。すでに動画で基本作業や組立支援を行うツールも導入しており、そちらと併用することが新明工業の理想とする組立支援であるとも考えていました。
つまり、指示者に依存しない、作業者が自立できるために必要な情報がすべて揃っていることが重要でした。

導入後の価値 「組付工数を26%も効率化。ベテランが指示しなくても品質は安定」

Scene導入後に得られた価値や効果は何ですか?
忙しい時期は3日に1度、資料を新たに作成して展開しています。従来の方法ではおそらく3倍ほど時間がかかっていた可能性があり、非常に大きな効果を感じています。3D Docsで作成した資料は流用がしやすいため、過去の資料がある場合は、さらに展開を高速化できています。
またそれ以外にも2点、価値を感じています。1つは品質を維持しながら、組付工数を効率化できた点です。もう1つはベテランなどの指示者をつけなくても、経験が浅いメンバーの組付が安定したことです。
前者に関しては、事前に補足説明などを行わずに、非熟練者の外国籍のメンバーに3D Docsを閲覧して作業をしてもらいましたが、完成した車両の品質も問題ないことは品質保証部門からも確認がとれています。また、従来の方法と比べて、1台あたりの車両組付工数を26%ほど削減できました。効率化と品質を両立できた点は非常に大きいと感じています。
後者に関しては、入社6年目のメンバーと入社1年目のメンバーで、3D Docsを活用して組立作業を行ってもらいました。結果として、組付時間は両者ともに差がない結果となりました。経験値に差がある中でも、組付時間は両者で安定しており、組付の標準化ができたと感じています。
前者、後者ともに作業時においてはベテランなど指示者をつけておらず、単独で作業が完結する点も非常に大きい効果と言えます。
このような効果は、生産負荷に合わせて柔軟に人員配置を調整する私たちにとって非常に大きなメリットでした。作業者の人数に対して指示者の人数が十分ではないので、指示が行き届かないことによる手待ちもなくなり、人的リソース活用が最大化できるようになりました。
機能面として、リンクや写真が貼れるため、細かい説明が充実する点は 3D Docsの利点だと考えています。新明工業ではよく使う工具の説明や品質チェックポイントについて動画ツールを使った繰り返し教育を行っているため、そういったコンテンツと3D Docsをリンクして活用しています。他にもSharePointのリンクも貼っており、3D Docsを基幹とした情報の共有を行えています。
また、スライド上でコメントを入力できる機能もよく活用しています。フィードバックの記録として活用することができ、様々な組立知見をノウハウとして蓄積できます。また、スライドの順番をワンクリックで逆にできるため、組立にも分解にも応用できる点も利点ですね。

今後の展開 「サプライヤーや他の部門でも活用」
今後はSceneをどのように展開する想定ですか?
1つは、外部のサプライヤー企業様への積極的な展開です。溶接工程などを依頼する際に、新明工業独自の指示や表現があり、3D Docsが外部とのコミュニケーションを取る際に有効な手段と考えています。従来は、パワーポイントで資料を提供したり、2次元図面への注記などで対応してきました。かなりの手間となっているため、高負荷のなか、結局自社で溶接作業を行うことも有りました。
3D Docsであれば、権限を分けることができ、安全に共有ができます。また、ブラウザで動作し、特別なソフトウェアが不要ですので、先方にも負担なくすぐに資料を見てもらえます。もちろん、溶接工程に加えて組立工程でも展開は可能と考えています。
社外の方が理解できるレベルの資料であれば、間違いなく社内のメンバーでも理解ができます。仮に分かりにくい状況があっても、コメント機能を使えば即座にコミュニケーションもできます。
新明工業のアフターサービスでは、社内に特装車の修理部門もあり、社外では協力工場様と契約もしています。組付工程で作成した3Ddocs手順書がほぼそのまま展開できる可能性もあります。
